親戚の家には野良猫が数匹住みついていて、そのうち一匹はどこかへ消えてしまった。
大学時代は帰り道によく寂しそうな猫に遭遇した。
今のTwitterアイコンに変えてからもう3年経つが、この猫はコンビニの駐車場にいた寂しそうな猫である。
この時の私は寂しさで潰れそうになっていたので、この猫に対し妙な親近感を覚えた。
それから小説を出版した際も、この猫の画像を裏表紙に入れたのだ。
幼馴染は結婚して、キュートな猫を飼い始めた。あのヒカキンも最近猫を飼い始めたらしい。
優しい人のもとでぬくぬくと育っている可愛い猫も好きだが、時おり遭遇する寂しそうな猫もやはり好きである。
そしてつい最近、私の車の下に猫がいた。
「ひかれちゃいますよ～」なんて言いながら棒でツンツンしたのだが、一向に動こうとしない。
ノロノロと動いては、気怠そうに腰をおろした。
しばらく目と顔を見てハッと気付いたのだが、この気怠そうな感じ、顔の色合い、目の鋭さ、寂しそうな佇まいが3年前に出会った上記の猫にそっくりなのである。しかし、当時出会った場所からだいぶ距離が離れている。
ただ、私がハッと気付いた瞬間、猫はミャアと数回鳴いたのだ。まるで何かの合図のように。
もしかしたら全く別の猫かもしれないが、私としては謎の確信があった。
「あの猫だ」と。
猫には不思議な力－人を惹きつける魅力以外の－があると思っている。
何か意味があってまた出会ったのだと思いたい。そしてまだ生きていると信じたい。
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